僕の生きる道

ep.5 あばかれた秘密

时长: / 首播:2003-02-04
 秀雄(草なぎ剛)と雅人(市原隼人)のトラブルで秋本理事長(大杉漣)が雅人の母親でPTA会長の久美子(銀粉蝶)と話し合うことになった。処分が決まるまで2年G組の担任はみどり(矢田亜希子)が引き受けることになったが、その途端、生徒たちのさまざまな問題が持ちあがった。
 職員室に2年G組の黒木愛華(岩崎杏里)の連絡先を教えてほしいという電話が殺到した。「これじゃないかと」。岡田(鳥羽 潤)が手にしていたアイドル雑誌を広げると、そこには愛華の写真が学校名と共に掲載されていた。
 また、めぐみ(綾瀬はるか)は未だに志望校を決めていなかった。秀雄はみどりからめぐみのことで相談をもちかけられた。めぐみだけはいつも秀雄の生物の授業を熱心に聞いてくれている。「大学受験する気がないのかも」。もしかしたら他にやりたいことがあるのではないか。秀雄はそんな気がしていた。
 秀雄の直感は当たっていた。しかしめぐみは、みどりにはどんな夢か教えなかった。みどりにもかつてピアニストという夢があった。「中村先生は?」「笑うだろうな。テノール歌手です」。みどりは秀雄を音楽室に引っ張っていった。「私のピアノじゃ、歌えないって言うんですか」「まいったなあ」。戸惑いながらも秀雄はみどりのピアノに合わせて歌い始めた。2人の間に穏やかな時間が流れた。その様子を久保(谷原章介)が見ていたことなど知るはずなかった。
 その頃、理事長室では秋本が古田教頭(浅野和之)を同席させて、雅人と久美子に向かい合っていた。「胸が痛むものですよ。嘘をついていると」。秋本の視線に雅人は耐えられなかった。「すみません。僕は中村先生に突き落とされたりなんかしてません」。それでも我が子かわいさのあまり食ってかかろうとした久美子に対して、秋本は秀雄の手紙を手渡した。それは以前、秀雄が捨てた手紙をみどりがゴミ箱から拾って秋本に渡したものだった。「これを読めば、なぜ雅人君に医者失格と言ったのかが分かると思います」。命の尊さを訴えた文面は雅人の心に深くしみいった。
 「明日から元通り、生徒の指導にあたって下さい」。秀雄は秋本の言葉が信じられなかった。そしてみどりがあの手紙を渡してくれたことが嬉しかった。
 「僕に味方ができたみたいです」。早速、金田医師(小日向文世)に伝えた。「その人に病気のことを打ち明けたら?」「その人だけには絶対同情されたくないんです」。秀雄は知らなかったが、みどりは友達の見舞いでこの病院をしばしば訪れていた。だから金田はみどりこそが秀雄の特別な人だと勘づいていた。
 みどりが強張った表情でやって来た。「黒木さんが学校を辞めたいって言ってます」。
 愛華は雑誌に掲載されたのがきっかけでスカウトされ、タレントになりたいと言う。「授業を始める前に進路について、少しだけ話させて下さい」。秀雄は実現の可能性の低い夢にかける無謀さを説いた。「後悔するのは君たち自身なんです」。放課後、愛華はいともあっさり退学の意思をひるがえした。
 秀雄とみどりが拍子抜けしたように顔を見合わせていると、めぐみが怒りを秘めた表情で立っていた。「私は自分の夢をあきらめないから」。めぐみは子供の頃から歌手に憧れていた。めぐみの熱い口調に秀雄は微笑んだ。「それだけの気持ちがあれば、あなたは夢を追うべきです」。愛華は思いつきだったが、めぐみの情熱は本物だった。「必ず歌手になって下さい。僕のためにも」。2人のやりとりを見ていたみどりは思った。めぐみが秀雄の授業を熱心に聞いていたのは、秀雄に何かを感じていたのだと。

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