僕の生きる道

ep.4 教師・失格

时长: / 首播:2003-01-28
 生徒同士の妊娠騒動がもちあがった。田岡雅人(市原隼人)と近藤萌(鈴木葉月)。どちらも2年G組、秀雄(草なぎ剛)の生徒だ。職員室では古田教頭(浅野和之)が早速教師たちを集め、副担任のみどり(矢田亜希子)が萌に事情を聞くことになった。
 その日の夕方、秀雄は金田医師(小日向文世)の診察を受けた。余命1年と宣告されてすでに1カ月が過ぎたが、秀雄は誰にも打ち明けていなかった。「病気を理解してくれる人がそばにいるといいんだけどね」。しかし秀雄は1人で残りの人生を歩むつもりでいた。
 「親には絶対言わないで!」。萌はみどりの説得に耳を貸そうとしなかった。一方、雅人も久保(谷原章介)と秀雄にくってかかった。「僕の将来のことを考えて下さい」。雅人からは萌を気遣う言葉は一切なかった。「お金なら出しますよ」。じっとこらえていた秀雄がついに怒りを爆発させた。「人の命をなんだと思ってるんだ!」。秀雄が雅人の胸ぐらをつかんだ瞬間、みどりが萌を連れて現れた。「妊娠はしてません」。みどりは雅人の気持ちを試したくて嘘をついたのだ。秀雄は脱力したように雅人から手を離した。
 秀雄は生徒への性教育の必要性を痛切に感じ、翌日早速、十代の妊娠と性感染症に関するデータをまとめて古田に提案した。「それは無理だね。親の責任でやってもらうしかないよ」。父兄にとって一番触れてほしくない話題なのだ。他の教師たちも秀雄の正しさを認めながらも、古田と同意見だった。それでも秀雄を諦めず再び古田に申し出た。「性教育より受験まであと一年。時間がないんだから」「時間がないから言ってるんです!」思わず秀雄は声を荒げてしまった。
 「どうしたの?そんなに熱くなっちゃって」。麗子(森下愛子)が冗談めかして秀雄にたずねた。秀雄の変化は誰の目にも明らかだった。
 秀雄は進路相談で再び雅人と向かい合った。「やっぱり医学部を目指したいんです」。雅人は医者という職業を金儲けの手段としか考えていなかった。「君に医者になる資格なんかありません」。憤然とした雅人は教室を飛び出した。「最後まで聞いて下さい」。秀雄が雅人の肩をつかんだ瞬間、雅人は足をすべらせて階段から転がり落ちてしまった。
 雅人のケガは大事にいたらなかったが、それだけでは収まらなかった。「生徒を突き落とすだなんて!」。雅人は母親の久美子(銀粉蝶)に嘘をついていた。久美子はPTA会長。古田の対応は素早く、秀雄は自宅謹慎を命じられた。その日の夜、秀雄が職員室に一人残り、雅人宛てに手紙を書いていると、忘れ物を取りにみどりが職員室に戻ってきた。「先生は何をそんなに焦っているんですか?まるで時間に追われているみたいです」みどりはずっと気にかかっていたことを聞いてみた。「僕はやるべきことを先延ばしにするのはやめようと思いました。今日やりたいことは今日中にやっておきたいんです。」そう言って秀雄は帰って行った。
 「ちょっと問題を起こしてしまいまして・・・」謹慎中の秀雄は金田に事情を打ち明けた。「信念を貫いていればいつかきっと君に味方してくれる人が現れるよ」。金田は微笑みながら助言した。
 古田が久美子への謝罪の場をもうけてくれた。「怪我させたこと、医者失格という暴言を吐いたこと。この2点をしっかり謝罪するように」「はい」。秀雄は神妙にうなずいた。「本当に申し訳ございませんでした」。秀雄は怪我をさせたことを久美子に詫びると、医者失格と発言したことを誤るどころか妊娠騒動の事を話し始めた-。

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