僕の生きる道

ep.10 最後の誕生日

时长: / 首播:2003-03-11
 退院した秀雄(草なぎ剛)は古田教頭(浅野和之)に合唱部の存続を訴えた。「受験勉強にさしつかえなければ大丈夫ですか?」。反対している父兄を納得させなければならない。秀雄にはある考えがあった。
 「迷いや恐れはありません。残りの人生をしっかり生きるだけです」。秀雄は3年G組の生徒たちに、自らの運命と心境を正直に語った。「目標もあります。皆さんと合唱コンクールに出場することです」。そして放課後の合唱部を続けるためには、今度の模試でクラス全員がA判定の成績をとること。「無理だよ」。守(藤間宇宙)のつぶやきは、大半の生徒の本音だった。
 実は模試の一件は古田が独断で父兄たちを説得してくれていた。「合唱を続けさせたいって顔、してるね」。理事長の秋本(大杉 漣)は微笑んだ。秀雄の情熱は古田をも変えたのだ。一方、生徒たちにも変化が現れていた。秀雄の授業ではきちんと生物の教科書を開くようになった。秀雄が戸惑っていると、りな(浅見れいな)がさりげなく言った。「先生が言ったじゃん。やれるだけのことをやってみようって。受験勉強も合唱も、それから生物の授業も」。
 クラス全員が同じ気持ちだった。しかし前回の模試で成績の悪かった均(内 博貴)だけはいつものように数学の勉強を始めた。均は合唱にも参加していない。「A判定は合唱やってるヤツらがとればいいでしょ」均は秀雄に背を向けると塾に向かった。
 秀雄とみどり(矢田亜希子)は部屋に同僚教師たちを招いた。披露宴代わりのささやかなホームパーティー。赤井(菊池均也)も岡田(鳥羽 潤)も、そして久保(谷原章介)と麗子(森下愛子)も思う存分楽しんでくれた。皆から祝福されて2人は改めて結婚した喜びを実感した。
 秋本には心配なことがあった。秀雄との別れがやってきた時、みどりはどうなってしまうのか。「僕が知る限りでは愛情が深いほど、残された後再び楽しい人生を送ってますよ」。金田医師(小日向文世)の確信に満ちた言葉に秋本は救われた気がした。
 模試当日がきた。「しっかりやって下さい」。生徒たちは真剣な面持ちでテスト用紙に向かい合った。数日後、模試の結果が届いた。その結果を持って秀雄は3年G組に向かった――。

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