リキッド~鬼の酒 奇跡の蔵~

ep.1 鬼の帰還

时长: / 首播:2015-04-12
金沢郊外にある小さな造り酒屋「相楽酒造」。
主人公・相楽修一(伊藤英明)は、その三代目として生まれたが、家業を継ぐことを拒み、東京で銀行員になった。
エリート銀行マンとして、家庭を顧みずに仕事に没頭する修一に、妻の真知子(中村優子)は愛想を尽かし、娘を連れて家を出た。更に、修一は銀行内の派閥争いに敗れ、左遷を通告される。
苦境に立たされた修一に掛かってきた1本の電話―。金沢の母(松原智恵子)が倒れたという報せだった。

「蔵を閉めておくれ」
死の床にある母から、そう告げられる修一。相楽酒造は、小規模生産ながら、「雪乙女」という銘柄の酒を丁寧に仕込んできた蔵だったが、5年前に修一の父が他界してからは、経営難に陥っていた。
母の死後、一度は蔵を閉めようとした修一だったが、ある出来事がきっかけで幼かったころの自分を思い出す。あの頃は、蔵も賑やかで、何より皆笑顔に溢れていた。
子どものときから家業を継ぐつもりは無かったが、父はそれでも構わないと言った。
「お前はなりたいもんになったらいい。せやけど、この蔵のことは忘れるな」
酒を造らなくなった蔵は死ぬ。そして、そこで生きていた人の気配も消えて無くなってしまう…。そう気付いた修一は、金沢に戻り、蔵を継ぐ決心をする。

修一が、藁をもすがる思いで頼りにしたのは、「酒造りの鬼」という異名を持つ伝説の名杜氏・鷲尾勇作(津川雅彦)だった。
勇作は、北陸一の大酒蔵「轟酒造」で30年以上杜氏を勤めてきたが、当代の社長・轟勝久(渡辺いっけい)と意見が対立し、蔵を去っていた。
勇作を訪ね、相楽酒造の杜氏になってくれるよう懇願する修一。それを断り続ける勇作だったが、心の内には「酒造りの鬼」がまだ棲み続けていた。轟酒造では醸すことが出来なかった、自分の理想の酒を作り上げてみたい…。
勇作は、人生最期の時間を、目の前の男に賭けてみようと決意する。

しかし、相楽酒造に集まった蔵人は、ほとんどが酒造りの経験が無い素人ばかりだった。しかも、全員が順風満帆とは言えない人生を送っていた。
真面目な性格だが、人付き合いが大の苦手で、職を転々としてきた相楽直木(柄本佑)。
職場不倫に疲れ、酒蔵に転機を求めた元ソムリエールの清水真衣加(関めぐみ)。
中途半端な性格で、何をやっても長続きしない元ヤンキーの田島直太朗(深水元基)。
人生に失敗し、家族とも離れ離れになったホームレスの鈴原洋次(甲本雅裕)。

初秋の金沢で、蔵とそれぞれの人生の再生を賭けた酒造りが始まる。

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