スポーツジムのインストラクターである賢二は、妻子と共に冬の厳しい長野に住んでいる。ある日、賢二は住宅会社の展示場で、床下のエアコン一台で一軒家全体を暖めるという斬新な暖房システムが装備される「まほうの家」というモデルハウスに心惹かれ、寒がりの妻と幼い娘のために家の購入を真剣に考え始める。ただし、賢二は実家の年老いた母と引きこもりの兄が気にかかる。二人を古い実家に残し、新しい家を買っていいのかと母に相談するが、意外にもすんなり納得してくれた。「いつも監視されているから、隠しておくのも大変なんだ」というわけがわからない兄の言動は気になるものの、賢二は家を建てる決心をする。
一年半後、「まほうの家」は完成し、その間、次女も生まれた賢二は、幸せの絶頂にいた。ところが、その家に住み始めた直後から、奇妙な現象が起こり始める。家を凝視したまま動かない友人の子ども、赤ん坊の瞳に映る知らない人影を見たという妻。見てはいけない恐ろしいものを見たと主張する同僚。地下室で何かに捕まり泣き叫ぶ娘。この家には、何かがある。
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一年半後、「まほうの家」は完成し、その間、次女も生まれた賢二は、幸せの絶頂にいた。ところが、その家に住み始めた直後から、奇妙な現象が起こり始める。家を凝視したまま動かない友人の子ども、赤ん坊の瞳に映る知らない人影を見たという妻。見てはいけない恐ろしいものを見たと主張する同僚。地下室で何かに捕まり泣き叫ぶ娘。この家には、何かがある。