夏祭り。ほのかな灯りがきらめく場所も、金魚にとっては一大事。
今日もまた同胞たちが次々と姿を消していた。
その光景を、一匹の金魚が見上げている。
彼女の名は、金魚かなうお姫ひめ。
悪しき人間の手から金魚を解放するのだと、決意だけは一人前の少女。
そんな姫に、手を差し伸べた人間がいた。
彼の名は夏海なつみ歓よし。
まだ何の力も持たない、ありあまる優しさを持った少年。
彼女と彼の日常は、どこまでも普通で、どこまでも夢のよう。
きっとこれは、今できることに一生懸命な生きものによる、ひと夏の恋物語だ。
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今日もまた同胞たちが次々と姿を消していた。
その光景を、一匹の金魚が見上げている。
彼女の名は、金魚かなうお姫ひめ。
悪しき人間の手から金魚を解放するのだと、決意だけは一人前の少女。
そんな姫に、手を差し伸べた人間がいた。
彼の名は夏海なつみ歓よし。
まだ何の力も持たない、ありあまる優しさを持った少年。
彼女と彼の日常は、どこまでも普通で、どこまでも夢のよう。
きっとこれは、今できることに一生懸命な生きものによる、ひと夏の恋物語だ。