Malicious -人の命は泡沫で-

「許せない、許せない、許せない。――私の大切な人を奪ったあの男を、許すことはできない」
3年前、貴方は大切な人を奪われた。
結婚するはずだった、大切な人。誰よりも愛しい人。
あれは、交通事故なんかじゃない。
事故に見せかけて、彼は殺されたのだ。
ジャーナリストであった彼は、大臣に――消されたのだ。

貴方の心は、あの日以来、「怒り」に囚われている。
手段は択ばない。法があの大臣を裁かないなら。
いつか私が、裁いてやる。
――そう思って貴方は今日まで生きてきた。

【キャラクター】
■御剣 大胡(みつるぎ　だいご)　32歳
政治家。父は文部科学大臣。
未来を約束された家系に生まれ、未来を約束された男。
悠然と微笑み、余裕がある感じで対応する。
他人に見られ、評価されることに慣れており、自分をイメージ通りに演出する天才。


■リスナー　30代前半
弁護士。
ジャーナリストをしていた婚約者(小林)がいたが、3年前に轢き逃げにより命を落とした。
彼が最後に調べていたのは文部科学大臣であった御剣の汚職であることは分かったが、
それ以上の証拠は掴めずにいる。
今でも御剣大臣の周りを探ってはいるが、相手の方が一枚上手であり、全く尻尾を掴めないでいた。

そして、この部屋で偶然、御剣大臣の息子である大胡と出会った。
彼を亡き者にすれば、御剣大臣に同じ苦しみを与えられると思いつつ、
生き残るために最善を尽くすことにする。