思いつめた男友達〜横愛トライアングル～

あらすじ
付き合って四年の彼・村瀬明季は人懐っこい。
明るくて話しやすいから、色々な人に好かれていて。

「ごめんね、ちょっと会社戻らないと。橘さんがミスっちゃったみたいなんだ」


登場人物
●塚原　湊(つかはら　みなと)
25歳。
人当たりはスマートで、何事にも落ち着いて対処する性格。
物事を冷静に分析して戦略を練り、基本的には勝てる戦しかしない。
大学時代からヒロインのことが好きだったものの、タイミングを推し量っているうちに明季にかっさらわれていた。
今回、欲しいものを手にいれるためには、多少強引な手も必要だと覚醒する。
とはいえ、明季のことは大事な友達と思っているから、複雑。


●村瀬　明季(むらせ　あき)
25歳。
明るく人懐っこい。
大学時代、湊がヒロインを好きなことに気づいていた。軽い気持ちでヒロインにちょっかいをかけていたら、その内自分も本気に。湊にとられてなるものかと電光石火のスピードでヒロインにアタックし、思いを成就させる。
湊のことをいい男だと思っているからこそ、色々と複雑。


●ヒロイン
25歳。
明季と湊とは大学で知り合い、大学三年の時から明季とは付き合っている。
湊のことは、いろいろと話せて貴重な友達だなと思っている。

──だから一番近くにいるあなたは、いつも少しだけ寂しい。
  
最近よく聞く会社の後輩の名前に、あなたの胸はざわついた。
戻らないで欲しい。せっかく彼の仕事が落ち着いて、大学時代からの友達・湊とも一緒に三人で楽しく飲んでいたのに。

「別にそれ、お前が行かなくてもいいんじゃないの?」

そんなふうに湊は言ってくれたけれど、明季はあいまいに首をふるだけ。
あなたはいつものように『物分かりのいい自分』の仮面をつけて、平気なふりで見送ったけれど。

「……がまんしすぎじゃない?」

そんなふうに湊が優しく聞いてくれるから、あなたの口から本音がこぼれた。
自分の気持ちを言えないのは、嫌われるのが怖いから。
好きだから、わがままは言えない。

そんなあなたに、湊は「そろそろ俺のことも見てくれないか」と囁いて──。