【ドッペルゲンガー娘】ラッツェル

ドッペルゲンガーとは、自分自身とそっくりなもう一人の自分のこと。また、同じ人物が異なる場所で同時に存在する現象も、ドッペルゲンガーと呼ぶ。
ドイツ語で、ドッペルが英語の「ダブル」、ゲンガーが「人・歩行者」を意味し、する。
自分のドッペルゲンガーを見た者は近く死んでしまうといわれている。
かなり古くから伝わっている伝承と都市伝説の両方に当てはまるような存在である。

オカルト的には霊体が分離したものであるとか、二重人格のようなものとされている。
また、科学的には幻覚であると考えられている。
人間の脳には自分自身の姿のボディイメージがあり、それを誤って幻視するとドッペルゲンガーを見ることになるのだという。
脳のボディイメージを司る部位に腫瘍ができた患者が自分自身の幻覚を見るケースが多いという研究報告があり、ドッペルゲンガーを見ると死ぬというのも、こうした病気が関わっている可能性がある……かもしれない。
創作では他者変身能力を持つモンスターがドッペルゲンガーの名を与えられることがある。ラッツェルの場合もこれに該当するだろう。
他では、『ロードス島戦記』シリーズで、他者変身能力を持つ高位の悪魔として登場した例などがある。

歌曲『魔王』で知られるシューベルトが『ドッペルゲンガー』という曲を作っていて、日本語ではこれが『影法師』と訳されている。そうした訳のためか影のイメージを持つこともしばしば。
文学ではドストエフスキー、エドガー・アラン・ポー、オスカー・ワイルド、芥川龍之介、梶井基次郎といった名だたる文豪もドッペルゲンガーやそれに類する存在について書いている。