仮面ライダー威吹鬼 假面骑士威吹鬼

人間を襲い餌として喰らう巨大な怪物、魔化魍（まかもう）と戦うため、「鬼」と呼ばれる音撃戦士のひとりであるイブキが、変身鬼笛・音笛（へんしんおにぶえ・おんてき）が発する特殊な音波をキーにして、自身の肉体を変化させた姿。

魔化魍と戦う組織「猛士（たけし）」の本部がある吉野の出身で由緒正しき宗家の鬼だが、現在は関東支部に所属しており、「関東十一鬼」のひとりに数えられる。



変身の際は、まず取り出した鬼笛の角部を展開。吹口に息を吹きかけて甲高い音を鳴らし、特殊な音波を発生させる。それを顔の前にかざすと額に鬼の意匠が浮かび、勢いよく音笛を振ると同時に竜巻のような風が発生、イブキの全身を包み込む。その中でイブキの肉体が徐々に変化していき、気合の一声とともに竜巻を手刀で縦に断ち切ると、変身が完了した仮面ライダー威吹鬼（イブキ）が顕現する。

なお、変身中に発生する竜巻には、敵の攻撃から身を守るという効果があり、その風力は怪童子や妖姫をその中に巻き込めば、肉体を分解してしまうほどの威力を持つ。



威吹鬼を含めた鬼たちは、厳しい修行によって心身を極限まで鍛え上げることで、変身するための力を会得。これにより、常人を遥かに超える身体能力を有している。また、鬼は魔化魍の特性に合わせて「太鼓」「管」「弦」と呼ばれる楽器を模した音撃武器を使用する。その中でも威吹鬼は管を専門としており、霊石の鬼石で作られた弾丸を発射するトランペットの胴部を模した銃型の音撃武器、音撃管・烈風（おんげきかん・れっぷう）を使用。威吹鬼の持ち味となるスピードを活かした動きで敵とある程度距離を置き、遠距離から一方的に攻撃するのが、基本的な戦闘スタイルとなる。

なお、怪童子や妖姫程度であれば、烈風による弾丸の連射のみで倒すことも可能だが、魔化魍本体にトドメを刺す際は、もうひと手間必要となる。一旦標的の体内に弾丸を撃ち込んだのちに、ベルトのバックル部分から音撃鳴・鳴風（おんげきめい・なるかぜ）を取り外すと、マウスピースを取り外して円錐状に変形させて烈風の先端に、マウスピースを後部に取りつけて、烈風をトランペット型の音撃モードへと移行させる。そして、マウスピースに当たる部分に息を吹き込み、標的に向けて清めの音を発することで、威吹鬼最大の音撃技「音撃射・疾風一閃（おんげきしゃ・しっぷういっせん）」が炸裂。魔化魍の体内に打ち込まれた鬼石が共振して一気に増幅された清めの音を魔化魍に送り込み、粉々に粉砕する。

実に手順の多い戦い方ではあるが、魔化魍の中にはイッタンモメンやウブメといった空中を自在に飛行する個体も存在。これらを接近武器である太鼓や弦で対処するのは難しいため、出現の際には管の使い手である威吹鬼に頼らざるを得ないというわけだ。



遠距離攻撃を得意とする威吹鬼だが、接近戦も苦手というわけではなく、怪童子や妖姫との肉弾戦の際には、体内に蓄積された風の気を利用した技「鬼闘術 旋風刃（きとうじゅつ せんぷうじん）」を使用。手刀や蹴りを繰り出す際に真空の刃を纏わせ、スピーディーかつスマートな動きで敵を切り裂いていく。

また、拳の甲から4本の鋭い爪を伸ばし、刺突や斬撃により攻撃する「鬼闘術 鬼爪（きとうじゅつ おにづめ）」も使用できる。



さらに「太鼓」の技もある程度マスターしており、太鼓の音撃でなければ倒せない夏の魔化魍に対しては、先端に青い鬼石がセットされた二本一対の太鼓のバチ状の音撃武器、音撃棒・山背風（おんげきぼう やませ）を振るって戦う。必殺技を放つ際は、ベルトのバックルにセットにセットされた青い音撃鼓（おんげきこ）を外し、魔化魍の胴体にセット。巨大化した音撃鼓に向けて山背風を叩きつけ、増幅された音撃を叩き込む。



左腰のホルダーには自律型の小型メカであるディスクアニマルの鈍色蛇（ニビイロヘビ）、浅葱鷲（アサギワシ）、黄赤獅子（キアカシシ）の3種を装備。ディスクアニマルは主に魔化魍に居場所を探る索敵を任務としているが、ある程度の攻撃能力も備えており、地上戦では水中でも行動できる鈍色蛇や機動力の高い黄赤獅子を使用。空を飛ぶ魔化魍や高所にいる童子、姫に対しては浅葱鷲を放って戦わせる。



変身者：イブキ、イブキ（戦国時代）

変身時に使用するアイテム：変身鬼笛・音笛