ワガママ王子に危険なキス

「――夢だ。これは夢に違いない」強烈な太陽と乾いた熱砂。滑走路には赤いバラの花びら。王室お抱えの楽団によるお出迎え。倉橋エレクトロンの社長息子・倉橋智也は、ガックリと肩を落として異国の地に一歩を踏み出した。大口契約と引き換えに社長秘書の高田に売られ、はるばる日本から連れてこられた哀れな子羊。パスポートも持たずに来てしまった身は、逃亡することも帰国することも叶わず…。超傲慢で曲がった性格のワガママ王子に連日連夜要求される智也だったが、どうしてもその天使のような綺麗な顔だけは嫌いになれなくて…。そんなある日、ライバル企業の営業マン・吾郷、そして智也の上司・奏人が現れ会社が倒産の危機にあることを告げる。なんと社運は、ワガママ王子の肩に。それを知った智也は…！？