信濃のコロンボ事件ファイル６　軽井沢殺人事件 日剧

「大芝精機」のOL・野本美樹は、会社の同僚の錦織と軽井沢の教会で2人きりの結婚式を挙げる予定だった。しかし、式当日の朝、なかなか現れない新郎を待つ美樹のもとに、「錦織が交通事故死した」という知らせが入る。一週間後、身投げをする覚悟でダムに行った美貴は、数人の男たちが男性の死体を捨てている現場を目撃。謎の男たちに追われる立場となる。

　一方、ダムで発見された死体の捜査に乗り出そうとする竹村警部だが、その遺体を警視庁公安部が引き取りに来たと聞き、驚く。死体の身元について「警視庁公安部の人間で、名前は豊島俊夫」ということ以外は、公安部の機密事項ということで情報を一切シャットアウトされてしまう。さらにそれが警視総監の命令と聞いた竹村は一瞬たじろぎながらも断固抵抗するが、聞き入れられない。

その頃、東京では小瀬木博信という、詐欺で指名手配中の男が、パトカーの前に助けを求めて倒れこむ。小瀬木はわき腹を指されており、謎の言葉を呟いて息絶える。「ホトケのオデコ･･･」。

竹村の盟友・警視庁の岡部警部は、小瀬木殺しの事件の捜査に乗り出す。小瀬木は詐欺商法で20億円もの金を騙し取り、被害者の庶民だけでなく、闇の組織からも追われていた。「ホトケのオデコ」は金の隠し場所の暗号なのか？さらにもう一つの謎は、小瀬木が「九条亜矢子」という旧華族の女性の名刺を持っていたことだった。指名手配を受けた男が、九条家とどういう繋がりがあるのか？

一方、謎の男たちに追われていた野本美樹は、無事、長野北署署長の大森らに保護される。そして美樹は、婚約者の錦織の葬式で、錦織の上司・成田と美樹の上司・村松に「何か書類を預かっていないか？」「近々取引が成功することについて何か聞いていないか？」などと不可解なことを聞かれたことを話す。さらにその後、美樹の家に何者かが入り、部屋が荒らされたという。竹村と大森は「大芝精機」に何かあることを推理。そして錦織が本当に交通事故死なのか、疑いを持つ。

　竹村は、錦織の交通事故死を洗い直そうと事故現場へ向かう。そこにはブレーキをかけた後がなく、錦織の車に風邪薬が残されていたことから、居眠り運転が事故原因とされていた。錦織は式の前日、急に大きな仕事が入り、本当は前日軽井沢へ入る予定を変更。徹夜で仕事をした朝、軽井沢へ向かうところだった。それを供述したのは、錦織の上司・成田。竹村は成田の言動に疑問を感じ、錦織の死には何か裏があると直感する。

その頃、東京では岡部警部が小瀬木の詐欺事件を捜査していた。小瀬木は、「軽井沢に建設する高級リゾートマンションに投資しないか」という話を持ちかけ、契約者から金を騙し取っていた。そして「九条亜矢子」の名刺を見せ、「この名刺を持っていれば、政財界の大物もフリーパスで会える」と言っていたという。

　そんな折、竹村が捜査から外される。そこには、警視庁公安部の大きな圧力がかかっていた。

一介の殺人事件にも関わらず何故、警視庁が直々に捜査するのか？公安が隠したがっているものとは・・・？

　事件の真相には、時代が生んだ悲しい真実が秘められていた。