遺産相続弁護士 柿崎真一

ep.11 最後の依頼人は愛娘!

时长: / 首播:2016-09-22
  柿崎真一(三上博史)のもとに、小学生の娘、柿崎みなみ(鈴木梨央)が突然現れた。「そろそろ教えてくれない?どうしてママが自殺したのか」と、みなみは5年前に母まゆみ(西山繭子)が自殺した理由を尋ねるが、「…分からないんだ。パパにも」と柿崎。

  みなみは、丸井華(森川葵)や河原井正(豊原功補)のもとへ行く。「5億の遺産!?」と華。みなみの母まゆみは作家で、著書「アボカド大好き」がフランスで大ヒットし、5億の印税が入ったと言う。その印税は遺産となり、夫の柿崎にもその半分を受け取る権利があるが、「パパにはあげたくないんです。代理人になってもらえませんか?お礼はこれだけお支払いします」とみなみは五本の指を立てる。「50万?500万?…違うの?え?5000万ッ!?」と華と河原井。「ただし、条件がもう一つあります」とみなみ。

  その夜、柿崎が事務所に帰ってくると、黒服の男らが所内を荒らしていた。「何してる!?」と柿崎。黒服がフランス語で「動くな!」と柿崎を脅して逃げていった。そこへ河原井や華、水谷美樹(酒井若菜)が駆けつける。「奴らは何を探してたんだ?」と河原井。「これじゃないですか?」と華がまゆみの本を手に取る。「先生、これがフランスでバカ売れしたの知ってます?印税が5億って」と華。「5億!?」と柿崎。「それって真一が半分もらえるのよね?」と美樹。「でも先生、娘さんに相当恨みを買っているみたいで。義理のお母さんに預けたきりで会いにも来ないって」と華。「だからさ、先生。この際、罪滅ぼしに金を放棄してはどうだ?」と河原井。「…みなみから金を奪うつもりなんかねえよ」と柿崎。思わずガッツポーズする河原井と華。「だけど、それとこの状況はなんの関係が?」と柿崎。「問題は未発表の続編だ。奥さん、この本の続編を書いてたらしいじゃないか」と河原井。「みなみちゃんが言ってました。フランスじゃ、続編の原稿を巡って争奪戦が繰り広げられてるって。たぶん原稿はパパが持っているって。出して下さい、先生!続編の半分はみなみちゃんのものですからね!」と華。その時、柿崎の携帯にみなみから連絡が入る。「パパ、うちに泥棒が入った!」とみなみ。

  荒らされたみなみの部屋では山本刑事(樋渡真司)と木村巡査(胡蝶英治)らが現場検証をしていた。柿崎の義母、池上貞子(長谷川稀世)が心配そうに見ていると、そこに柿崎が駆けつけた。「よくもノコノコ来られたものね!みなみを5年も放ったらかしにしておいて!」と貞子。部屋から奪われたものは何もなかった。「いい?金輪際、みなみにもこの家にも近づかないでちょうだい。人殺し!」と柿崎に言う貞子。

  横浜の街を行きながら、柿崎はまゆみが残した遺書を見ていた。そこには「真一へ (アラビア文字で)ヤーアブルニー まゆみ」とあった。「……」と柿崎。

  その後、柿崎のもとへ美樹が来る。「本、読んだわよ。アボカドって真一のことだったんだ」と美樹。アボカドとはフランス語で弁護士という意味だった。「ねえ、この続編って、もしかして奥さんが自殺するまでの話?」と美樹は、まゆみの自殺の原因は柿崎の浮気だと踏んでいるが、実際、浮気をしていたのはまゆみの方だったと話す柿崎。「絶対に言えないよな。みなみには…」と柿崎。そこに華が、「先生!みなみちゃんが!」と駆け込んでくる。同時に柿崎に電話が入る。「ボンソワール、カキザキ。お前の娘を預かった。返してほしければ明日、続編の原稿を持ってこい」と男の声。

  柿崎は河原井に拳銃を借り、倉庫に向かう。「みなみを返せ!」と、柿崎は黒服に原稿を差し出すが、みなみが黒服の腕にかみつき、原稿を奪って走り出す。黒服たちが一斉にみなみに発砲する。「撃つな!」と、柿崎は銃を乱射し、みなみを追う。「パパ!それ本物でしょ?人殺しになるよ!?」とみなみ。「おまえのためなら構わない!」と柿崎。「バッカじゃないの!全部お芝居よ。これ(原稿)が読みたかったから河原井さんたちにお願いしたの」とみなみ。「え?じゃ、あの黒いのは河原井さんの…?」と、柿崎は黒服の前に出る。だが、そこに河原井、華、美樹が来て、「危ない!そいつら本物!」と、華と河原井。「ええ!?」と次の瞬間、柿崎は黒服の弾丸に倒れる。「てめえら!」と、河原井が応戦し黒服たちを追い払う。「…みなみ、ママの原稿だ」と虫の息の柿崎が原稿をみなみに渡す。しかしそれは白紙の原稿。「何これ。ママの自殺の理由があるんじゃなかったの?」とみなみ。「続編なんてないんだ。ママが書いたのはこれだけ」と、柿崎はまゆみの遺書を取り出す。「ママはパパの浮気で死んだんだ」と柿崎。「嘘つき。浮気してたのはママでしょ?私、見て知ってるんだから。パパはママの浮気を認めたくないだけでしょ?」とみなみ。「…それは違う。パパは仕事にのめり込みすぎてママの心を置き去りにした。だからママはパパ以外の人に救いを求めた。ママはパパに止めてほしかったんだろうけど、パパは何も言わなかった。だからママの心は壊れたんだ」と柿崎。柿崎はまゆみの遺言の「ヤーアプルニー」の言葉を訳す。「これはアラビア語。日本語にあえて訳すと“あなたが私を葬る”。その人なしでは生きられないから、その人の前で死んでしまいたいって意味だ。ママはパパが思う以上にパパを好きでいてくれた。だがパパはそれに気づかなかった」と柿崎。「それがママが死んじゃった理由?」とみなみ。「…本当のところはパパにも分からない」柿崎は、まゆみのラストリクエストが分かるようになりたくて、遺産相続専門の弁護士になったのだった。「面倒くさいね。大人って。それにパパ、撃たれたの、お芝居ね?」とみなみ。柿崎は河原井に頼み込み、芝居を打ったのだった。「バレたか。パパ照れ屋だから、こうでもしないと話せないんだよ。大切なことは」と柿崎。「でもこれで一応解決と言うことで…」と華が報酬の件をみなみに切り出すと、「はい」とみなみは5円を華の手のひらに乗せた。「え?5円?」と華。実はまゆみの本がフランスでバカ売れしたというのは嘘で、日本の印税も年に1、2回、50円程度振り込まれるだけだった。「最高の遺産だな」と笑う柿崎。

  その時、銃声がして柿崎が倒れる。撃ったのは貞子だった。「私は許さない!ろくでなし!」と貞子。「おばあちゃん!パパ!」とみなみ。柿崎は「みなみ…愛してる」と言って目を閉じた。「パパ!」とみなみは柿崎にすがり泣き叫ぶ。すると「やったぜ!お義母さん!みなみを泣かせた!」と起き上がる柿崎。「みなみ。いっぱい泣けばいいよ。5年間、ずっと我慢してきたんだから」と貞子もガッツポーズ。全て芝居だった。「ガチ悔しい!」と泣くみなみ。みなみを抱きしめる柿崎。「まゆみ…5年かかったよ。みなみも俺ももう大丈夫。安らかにお休み下さい」と亡き妻を偲ぶ柿崎だった。

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