伊藤郁子(以下、伊藤): そんなに立派な話はありませんよ……。 小中: 僕らもそんなに立派な話はしていないですから(笑) 伊藤: 私は「魔法使いTai!」からですが、お酒が飲めるので中村監督と仲良くなるのは早かったかもしれません。一緒に飲んで、隆太郎さんがつぶれるまで付き合ったりしました。 小中: 伊藤さんは絶対に潰れないですから。 伊藤: 「あの話数のあれ、良かったよ」ってすごく人を褒めますよね。テレビシリーズの「魔法使いTai!」で、隆太郎さんは第3話を演出されたんですが、「いや、2話がいいんだよ!」って。 (一同笑) 伊藤: 2話は、女の子たちが部屋に集まってケーキで一騒動という話だったんですが、「ああいうキャッキャするやつがやりたかったんだよ」って悔しがってましたね。 藤津: 中村監督の作家性というと言葉が大きいかもしれませんが、持ち味はどういうものだったと思いますか? 伊藤: 「ちびねこトム」もそうですが、子どもの目線になって作品に入り込む事が出来る方で、だからこそ子ども向け作品が得意な方だったんじゃないかなと思います。隆太郎さんとは一緒にパイロットフィルムを作った事があって、奇妙な生き物が飛び回る、日本語ではない不思議な言葉を使う世界のファンタジー作品で、すごく面白かったです。