宇宙をかける少女

ep.14 夜ひらく花

时长: / 首播:2009-04-06
脚本:樋口達人/コンテ:京極尚彦/演出:京極尚彦/作画監督:稲吉朝子

 その島・獅子堂島に居たのはブレインコロニー開発者のフォンというお爺ちゃん。なんでも、昔のネルヴァルとの戦いで、勝利まであと一歩という時に、レオパルドをICPに引き渡して、武装解除してしまったらしいの。それでほのかちゃんは「裏切り者!」と言っていたのね。フォンの人が言う「危険だから」という理由も、うっすらとはわかる気がするんだけどね。アハハ。
 それにしても、なんだかティーバッグの紅茶を飲む様子とか、人をおちょくった様な態度とかが、レオパルドに似ていて、すごくアレなんですけど……。
 そして、あっさりと宇宙に帰る方法なんて無いと言われたわ。
 いつきちゃんとウルさんは救難ビーコンを発信して救助が来るのを待つというんだけど。その間にいつきちゃんはフォンからテラ・アブダクションに関する情報を聞き出そうとしていたわ。ネルヴァルは構造物としての欲求から、自分の中に人を住まわせようとしているんですって。「箱詰め」という形で……。
 その時、島に警報のアラート音が鳴り響いて、また、アタシはなにもわからなくなって……。
 島に接近した大きな柱・パイドパイパーを、フォンは自分で研究開発したQTローズで撃退したらしいの。ネルヴァルからの思考干渉を防ぐ働きがあるんだって。
 気がつくと凍った海の氷原の真ん中。アタシはまた、箱を被ってフラフラと引き寄せられていたらしいの。
 そして薄れる意識の中で聞いた「イグジステンズ」の意味。それは対ネルヴァル用の生体兵器。かつての戦いでイグジステンズはネルヴァルに取り込まれ、今ではネルヴァルの手先になってしまったのね。ほのかちゃんはそのイグジステンズの生き残りだったんだ。
 ……夢の中のいつものお店。アレイダと同じ顔をした、いつもの女の人。アナタはいったい誰なんですか? ネルヴァルの手先じゃないんですか? その人の名前は「神楽」。もしも自分がネルヴァルを倒せなければコレを見てと、お店の壁にメモを貼り付けて出て行ったわ。お店の名前は「軌道喫茶えにぐま」。7つの太陽が輝く見知らぬ場所で、神楽が指揮するQTアームズの編隊を激しい爆裂光が包み込んでいく……。
 気を失っていたアタシの手を握っていてくれたのは、ほのかちゃんの手だったわ。
「そして、神楽は帰ってこなかった」
 どうやら手掛かりは「軌道喫茶えにぐま」にあるのね。
  そしてアタシは、もうひとりの「宇宙をかける少女」が誕生したコトを知るよしもなかったの。

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