お取り潰しにあった大名の一人娘という触れ込みで売られてきたが、それは真っ赤な嘘のただの田舎娘。
だが、その内側には一流の花魁となれる素質があると嘉門は見抜いている……、というより、大枚をはたいて買った娘なので、元を取ってもらわなければ困ると、大事に育てていくことになる。
遊女でありながら、折れず陰らぬ心根で、嘉門や客を包み込む深い愛情を見せる。
「誰も、何も、恨んでいません。
こうして生きていけることが幸せとも思える。
でも……、あなたが時折、優しくしてくれるたびに、泣きたくなるのは、なぜなんでしょう」
出演