#1 - 2020-8-1 13:22
漏斗 (夏天与我休憩中)
【ア行】
○あかん【明かん】
        駄目だ。いけない。「埒があかぬ」の略。「あかへん」「あけへん」とも。

○あかんたれ【明かん垂れ】
        駄目な奴。弱虫。小心者。

○あじない・あんない【味無い】
        美味しくない。味が薄い。京都などの言い方。

○あて
        酒の肴。お通しのことは「突き出し」と言う。またまったく別の意味だが、「私(わたし)」のこと。

○あほう・あほ【阿呆・阿房】
        愚かなこと。関東の「馬鹿」に対する。強めて言う場合「あっぽ(う)」などとも(主に子供)。

○あほほど【阿呆程】
        (馬鹿みたいに)数量が甚だしい様子。

○あほんだら【阿呆陀羅】
        大馬鹿野郎。

○あんじょう
        上手に。上手く。「味良く」の転。 (例)あんじょう頼んまっさ。

○いかのぼり・いか
        凧。共通語「たこ」がタコに由来するのと同様、姿がイカに似ることに由来。

○いがむ
        かたむく、(向きが)ずれる。「ゆがむ」の転。 (例)柱がちょっといがんでへんか?

○いきる【熱る・熅る】
        熱くなる(原義)。転じて、息を荒らげて怒る。元気づく。調子に乗る。「息」を動詞化したものか。「調子に乗る」の用法は特に京都などで盛ん。

○いけず
        意地悪。近世には「いかず」とも。元は「一筋縄では行かぬ」ことから、強情者・頑固者・ならず者などを指した。

○いこる【熾る】
        「おこる(熾る)」の転。炭火が安定して燃えている様子。 (例)炭がええ感じにいこっとるな。

○いちば【市場】
        日常的に近所の住民が買い物をする小規模な商店街。

○いちびる
        調子に乗る。ふざける。名詞形「いちびり」でお調子者の意。

○いと
        娘。嬢。「いとけない(=幼い)」あるいは「いとしげない(=愛しい)」の略か。「ぼん」の対義語。 (例)いとはん(=お嬢ちゃん)

○いぬ【去ぬ・往ぬ】
        帰る。去る。古語「いぬ」の残存。 (例)とっとといね!

○いや
        「い」に抑揚を付けて、女性が多用する感動詞。「おやまあ」などに相当。

○いらう【弄う】
        いじる。触る。弄ぶ。「いろう」とも。 (例)かさぶたいろうたらあかん。

○いらち【苛ち】
        短気者。せっかち。「いらつ」(苛立つ、焦る)の名詞形。大阪人気質を端的に表す言葉とされる。

○いわす
        やり込める。やっつける。「グウの音を言わす」ことから。転じて、せしめる。(体を)壊す。 (例)肩をいわした。

○ええ
        「よい」の転。終止形・連体形のみで用い、通常「えかった」「えければ」のような活用はしない。関東の「いい」は「ええ」がさらに転じたもの。なお「かわええ」という表現は京阪方言としては誤り(「可愛い」は「かわ良い」ではなく「かわゆい」の転であるため)。 (例)ええもん安い。

○ええし
        「良い衆」の転。良家。金持ちの家。

○えげつない
        露骨な。強烈な。卑劣な。あくどい。元は「いげちない」「いげつない」と言った。

○えずく
        吐き気を催す。吐く。吐き気が込み上げた時の声(オエッ)と「衝く」が組み合わさったものという。

○えらい【偉い・豪い・苛い】
        立派な・大変な・大変に・とても・とんでもないの意で多用するほか、一部で「くたびれる」の意でも用いる。大変に・とてもの意で用いる際、本来の連用形「えろう」よりも「えらい」が多用される(「えらいこと」の略)。語源は「いらし(苛し)」。享保年間に大阪雑喉場の魚市場で若者たちによって生み出されたという説もある。 (例)えらい(=とても)遠いとこまで行ってえらなった(=くたびれた)わ。 えろう・えらいすんまへん。

○えらいさん【偉い様】
        ある集団の中で一定の地位、指導的立場にある人。 (例)町内会のえらいさん。

○えんりょのかたまり【遠慮の塊】
        おかずの最後の余り物。互いに遠慮し合ってなかなか箸が付かないことから。

○おいえ
        室内。座敷。台所を指すことも。「御上」または「御家」の転という。「おいえさん」で(町家の)奥さんの意。 (例)おいえへ上がっとくれやす。

○おいでやす【御出でやす】
        歓迎の意を表す挨拶言葉。より丁寧で幾分改まった表現に「お越しやす」がある。

○おいど【御居処】
        お尻。女房言葉由来。

○おおきに・おおけに【大きに・大けに】
        「大きにありがとう」などの後略で、感謝の意を表す挨拶言葉。

○おかん、おとん
        「お母さん」「お父さん」のくだけた言い方。

○おことおお・おことう(さん)【御事多(さん)】
        大晦日などの仕事納めの挨拶言葉。相手の年末の多忙に対するねぎらいと敬いを表す。

○おしピン【押しピン】
        画鋲。

○おため【御賜め】
        結婚式の祝儀を渡してくれた人に対してその場で渡す1割のお返し。関西全域にみられるが、発祥は京都。

○おちょくる
        からかう。小馬鹿にする。

○おとつい
        一昨日。

○おっさん
        おじさん(中年男性に対する呼び掛け)、和尚さん。平板に読めば前者の、「さん」を下げて読めば後者の意味になる。

○おはようおかえり(やす)【御早う御帰り(やす)】
        出立を見送る挨拶言葉。「早く帰って来てください」の意であり、「さっさと帰ってください」ではない。

○おぼこい
        幼い。子供っぽい。あどけない。うぶな。「産子」の転「おぼこ」の形容詞形。

○おもろい
        面白い。否定形「おもろ(う)ない」はくだけて「おもんない」とも。元は男性語。

○おやかましさん・おやかまっさん【御喧しさん】
        辞去する際の挨拶言葉。

【カ行】
○かい【回】
        大学○年。厳密には在学年数を指し、留年などで在学年数と在籍学年が異なる場合は「4年次6回生」(入学して6年目の大学4年生)などとする。元は京都帝国大学の用語だが、近畿地方一円の学生言葉となっている。 (例)「何回生ですか?」「2回です」「あ、同回やん」

○かしわ【黄鶏】
        鶏肉。

○がしんたれ【餓死垂れ】
        意気地無し。甲斐性無し。能無し。

○カッター(シャツ)
        ワイシャツ。狭義では学生用シャツを指す。ワイシャツ#日本語での呼び名についても参照。

○かなわん【適わん・敵わん】
        嫌だ。やり切れない。堪らない。「かなん」と略して言うことが多い。

○かまへん・かめへん【構へん】
        構わない。「かまわへん」の略。

○がめつい
        大阪弁と認識されがちな語彙だが、実際は劇作家菊田一夫が1959年に発表した戯曲『がめつい奴』で広めた造語である。詳細はがめつい奴#形容詞「がめつい」の造語を参照。

○かわや【厠】
        トイレ、便所。高野山の「こうや」と音が似ていること、もとは川の上に板を架けて「川屋」を作り、両便をそのまま水に流したことに由来する。実際に高野山の寺では川に大小便を垂れ流していた。

○かんこくさい【紙子臭い】
        焦げ臭い。きな臭い。

○かんてき
        七輪。転じて、癇癪。 (例)かんてき者(=癇癪持ち)

○きがわるい【気が悪い】
        感じが悪い。嫌な感じ。

○きしょい
        気色が悪い。「きもい」より強い不快感、拒絶を表わす言葉。

○ぎょうさん【仰山】
        数量や程度が甚だしいこと。「ようさん」とも(「ようけ」との混合か)。

○くらいぬけ 【食らい抜け】
        大食漢。または、食べてすぐトイレに行く人。60㎏俵に米を詰める時に使う直径50cmほどの漏斗の名称「食らい抜け」から。

○けったい
        奇妙。変。不思議。おかしい。「卦体」または「希代」の転という。

○けったくそがわるい【けった糞が悪い】
        癪に障る。忌々しい。気味が悪い。「けった糞」は「けったい」の派生語。

○ごあさって【五明後日】
        「今日」から数えて五日目、つまり「しあさって」の翌日。東京では「やのあさって」。ちなみに「しあさって」で「あさっての翌日」を指すのは近畿地方から東京に伝わった用法である

○こうこ
        香の物。漬物。「おこうこ」とも。

○こうと【公道】
        質素で地味だが上品さを兼ね備えている様子。 (例)こうとなお部屋どすなあ。

○こける【転ける】
        転ぶ。倒れる。他動詞形は「こかす」。

○こそばい・こしょばい
        くすぐったい。かゆい。「こそばゆい」の略。動詞形「こそぼる」でくすぐるの意。

○ごつい
        でかい。強い。いかつい。ひどい。1970年代以降の大阪などでは主に「ごっつ」の形で強調の副詞としても用いる。 (例)ごっつやばい。

○こてこて
        必要以上に濃厚に塗りつける様子。関西弁関連の辞書によっては掲載されていない。因みに大阪の料理は「こてこて」のイメージがあるが、実際は薄口醤油と昆布出汁を基調とした薄味である。

○ごんた【権太】
        腕白小僧。やんちゃ坊主。強めた言い方は「ごんたくれ」。人形浄瑠璃『義経千本桜』の登場人物名から。

【サ行】
○さいぜん【最前】
        ついさっき。今しがた。(例)さいぜん言うたばっかりやのに。

○さし【差し】
        物差し。定規。 (例)そこのさし取って。

○さぶいぼ【寒疣】
        鳥肌。ぞっとした時のものは「ぞぞ毛」とも。 (例)あー、さぶいぼが出た。

○さら
        新しいこと・もの。共通語でも「更地」「まっさら」などの表現で用いる。 (例)さらの皿。

○さらぴん
        「さら」を強めた言い方。「ぴん」の語源としては、「品」説とポルトガル語のpinta説(「ピンからキリまで」の「ピン」と同じ)がある。

○しい
        「する」の連用形名詞化。・・・しがちな人。・・・してばかりの人。「要らんことをする→いらんことしい」や「ええかっこをする→ええかっこしい」や「真似をする→まねしい」など。

○「してんねん」または「しとんねん」
        〜してるんですか!の意味。上司などが使うことが多く、「何してんねん」・「何しとんねん」などの組み合わせで使われる場合がある。

○しばく
        叩く。引っぱたく。バブル期頃には「茶ぁしばけへん?」「マクドしばけへん?」「ネズミしばけへん?」のように、「・・・へ飲食や遊びに行く」の意で用いるのが流行した。

○しゃあない・しやない
        しょうがない。仕方がない。

○じゃまくさい【邪魔臭い】
        面倒臭い。 (例)邪魔臭い仕事やなあ。

○じゅんさい【蓴菜】
        捉えどころが無い。転じて、どっちつかず。でたらめ。いい加減。ジュンサイはぬめりがあって箸で掴みにくいことから。 (例)じゅんさいなこと(=いい加減なこと)すな。

○しょうもない・しょうむない【仕様も無い】
        つまらない。面白くない。くだらない。

○しるい・しゅるい【汁い】
        水気が多く、湿っている様。「じるい」や「じゅるい」とも(「じゅくじゅく」などからの類推か)。安永5年『世間仲人気質』に、京都で「しるい」と言うのを大和・河内では「じるい」と言い、そのことを京都人はおかしがるとの記述がある。 (例)雨で道がじゅるいなあ。

○しんきくさい【辛気・心気臭い】
        じれったい。苛立たしい。まどろっこしい。

○しんどい
        疲れる。苦しい。「辛労」あるいは「心労」の転「しんど」の形容詞化という。 (例)家計がしんどいわ。

○すい・すいい【酸い・酸いい】
        すっぱい。共通語でも「酸いも甘いも噛み分ける」の慣用句で用いる。

○すかたん
        まぬけ。とんちんかん。見当違い。なお「まぬけ」も近畿地方から広まった表現である。

○すこい
        ずるい。狡猾。「こすい」の倒語。

○ずっこい
        ずるい。「すこい」と「ずるい」の混合か。 (例)あんたばっかしずっこいわあ。

○ずつない・じゅつない【術無い】
        なす術がなくて辛い。苦しい。古語「ずちなし」の転。 (例)ようけ食べてずつない(=腹が苦しい)わ。 気ずつない(=きまりが悪い)なあ。

○せいだい
        精々。大いに。うんと。「せいざい」などとも。「精(を)出して」の転という。 (例)せいだい気張りや。

○せたらう・せったらう【背たらう】
        背負う。「せたろう」とも。

○せんど【千度】
        何度も。たびたび。転じて、大層。ひどく。 (例)せんど言わすな!

【タ行】
○たく【炊く】
        煮る。炊飯以外にも多用。 (例)夕飯は大根の炊いたん(=煮物)やで。

○だぼ
        馬鹿。「あほ」よりも強い言い方。播磨・神戸で用いる。

○だんない
        「大事ない」の省略語。差し支えない。構わない。

○ちゃいする
        幼児語で、捨てる。 (例)そんなばばい(=ばっちい)もんちゃいし。

○ちょお
        ちょっと。当然ながら「超」とは無関係。 (例)ちょお待ってえな。

○ちょ(う)ける【嘲ける】
        ふざける。おどける。「ちょかる」とも。名詞形「ちょけ」でふざけたことをする・言う人の意。 (例)ちょけてる場合と違うで!

○つぶれる【潰れる】
        「駄目になる」「平らに変形して壊れる」だけでなく、外見上の変形を伴わない破損・故障にも用いる。 (例)テレビが潰れおった。

○てれこ
        逆さま。あべこべ。歌舞伎用語「手入れこ」から。

○でん
        鬼ごっこなどで鬼が他の子にタッチすること。「でんをつく」とも言う。鬼ごっこ以外でも、単にタッチを指す語や、鬼がタッチしてすぐ逃げる様から、短時間滞在してすぐに帰ることの比喩としても用いる。 (例)山田さん、家にでんついて帰ってきただけや。

○てんご(う)
        いたずら。悪ふざけ。冗談。

○でんぼ【出ん坊】
        打撲による腫れ物。出来物。吹き出物。

○ど
        名詞・形容詞・形容動詞の語頭に付けて罵り・呆れなどを添える。転じて、単なる強調。(例)どあほ どぎつい ど根性 どたま(=ど頭) ど派手 ど真ん中

○どつく・どづく【ど突く】
        叩く。殴る。

○どつぼにはまる【ど壺に嵌る】
        最悪の状態になる。やることなすこと全て悪い方向に向かう。「どつぼ」は肥溜めの意。元は芸人の楽屋言葉。

○どもならん・どんならん
        「どうにもならぬ」の転。どうしようもない。お終いだ。

○どんくさい【鈍臭い】
        鈍い。手際が悪い。

○どんつき【どん突き】
        突き当たり。 (例)あっこにどん突き見えるやろ、そこを右曲がるのが近道や。

【ナ行】
○ないない【無い無い】
        幼児語で、片付ける。 (例)おもちゃないないしょうな。

○なおす【直す】
        片付ける。元の場所に戻す。 (例)これ棚になおしといて。

○なんきん【南京】
        カボチャ。京都では「かぼちゃ」や「おかぼ」。

○なんば【南蛮】
        トウモロコシ。「南蛮キビ」の後略。

○なんぼ【何ぼ】
        幾ら。幾つ。どれほど。「何程」の転。 (例)なんぼのもんじゃい!(=どれほどのもんだい)

○におう・におぐ【臭う・臭ぐ】
        自動詞としてだけでなく、他動詞としても用いる。すなわち、においの発生源が「臭う」だけでなく、自発的ににおいを嗅ぐ動作にも用いる。「におぐ」は「におい」と「嗅ぐ」が混合したもの。 (例)ドリアン、臭いでみ。

○ねき【根際】
        側。近く。

【ハ行】
○ぱっち
        丈の長い股引。

○はばかりさん【憚りさん】
        労をねぎらう挨拶言葉。

○はらがおおきい【腹が大きい】
        満腹である状態。近畿地方出身の女性が「おなかが大きなってしもた」と言っても、その多くは「妊娠してしまった」ではなく単に「満腹になった」の意である。

○ばり
        とても。かなり。山陽地方由来の言葉で、1980年代に神戸・播磨を中心に流行した。

○はんなり
        上品で華やかな、明るい様子。 (例)はんなりした(着物の)柄やなあ。

○びびんちょ
        汚らしい者を仲間外れにする時の囃し言葉。えんがちょ。「べべんちょ」などとも。

○ひらう【拾う】
        連用形ウ音便「ひろおた・ひろおて」からの類推で生じた語形。享保期以降「ひろう」よりも優勢となった。 (例)落ち葉をひらいに行った。

○フレッシュ
        コーヒーや紅茶に用いるクリームやミルク。

○べべた
        びり。最下位。「べべ」「べべちゃ」や「どべ」(ど+べべた)などとも。

○ほかす【放下す】
        放り捨てる。 (例)この書類ほかしといて。

○ほげた【頬桁】
        文句。(目上に対する)反論。物言い。原義は「頬骨」。 (例)ほげたを吐く(=文句を言う)。

○ほたえる
        騒ぐ。ふざける。じゃれる。

○ぽち
        祝儀。チップ。「ぽち」を入れる袋が「ぽち袋」である。

○ほっこり
        (一仕事を終えて)疲れた様子。近年、のんびりするなどの意で用いる者が増えている。 (例)せんど歩いてほっこりしたし(=くたびれたし)、お茶でも一服しょうか。

○ぼちぼち
        そろそろ、まあまあ。雨の滴の「ぽつりぽつり」からきた言葉だという。例えば「ぼちぼち行こか」と言った場合「ぼ」にアクセントをつければ「そろそろ行こうか」という意味になり、それに対して「ち」にアクセントをつければ「ゆっくり行こうか」になる。大阪以外ではあまり使われない。

○ぼん
        坊や。特に、良家の坊ちゃん。「坊」の転。「ぼんぼん」「ぼんち」などとも。 (例)ぼんぼん育ち。

○ぼんさんがへをこいた【坊さんが屁を放いた】
        だるまさんがころんだ。「においだら臭かった」と続ける。

○ほんま【本真】
        本当。実際。「本間」ではない。 (例)ほんまもん(=本物)の味。

【マ行】
○まいど【毎度】
        大阪の商業社会で広く用いる挨拶言葉。 (例)まいどおおきに!

○マクド
        マクドナルドの略。マクドナルド#呼称も参照。

○まったり
        まろやかでこくのある味わい。1990年代以降、のんびり・ゆったりした様子という意味で用いる者が増えている。

○まんまんちゃん
        幼児語で、仏様。地域によっては神や月なども指す。「南無阿弥陀仏様」の転。お辞儀を表す「あん」を後ろに付けると、仏への祈りの動作を表す。 (例)お仏壇にまんまんちゃんあんしいや。

○みずくさい【水臭い】
        水っぽい。塩気が足りない。転じて、よそよそしい(共通語に取り入れられた用法)。 (例)この味噌汁、ちょっと水臭いなあ。

○みずや【水屋】
        食器棚。台所全体を指すことも。

○めっちゃ
        とても。超。「めちゃくちゃ」の略で、1970-80年代以降、大阪から近畿地方一円に急速に広まった。「めっさ」などとも。同様の語に「むちゃくちゃ」の略「むっちゃ」などがある。

○めばちこ【目ばちこ】
        麦粒腫。ものもらい。京都などでは「めいぼ・めぼ」(目疣)。

○めんちきる【めんち切る】
        ガンをつける。睨みつける。「目ん玉切る」→「めんた切る」と経て成立したという。

○モータープール
        駐車場。パーキング。進駐軍用語をハイカラ好きの大阪人が真似たのが始まり。ただし、英語での本義は軍の配車場やそこに待機する車群であるため、一般の駐車場や車両に使用するのは本来間違い。中部地方(金沢・静岡など)以西で広く用いる。

○もむない・もみない
        美味しくない。まずい。「旨うもない」あるいは「旨みがない」の転という。また「毛瀰」という名のガマガエルの煮物が語源であるとの説もある(食用ガエルを参照)。大阪などの言い方。

【ヤ行】
○やつす【俏す・窶す】
        おめかしする。名詞形「やつし」でめかし屋の意。もとは歌舞伎界の隠語で、江戸時代に町人層で流行語として広まったもの。 (例)そないやつしてどこ行きなはるの?

○ややこしい
        煩雑だ。厄介だ。面倒だ。紛らわしい。怪しい。「赤ん坊」を意味する「ややこ」の形容詞化。赤ん坊の世話は面倒で大変だということから。「ややこい」などとも。 (例)今日の天気はややこしい(=微妙だ)な。

○やんぺ・やんぴ
        物事をやめる時の掛け声。主に子供が用いる。「止め」の転か。 (例)もうやーんぺ。

○ようけ・よけ
        数量が甚だしいこと。たくさん。「余計」の転。

○よす【寄す】
        仲間に入れる。主に遊びに参加する時に用いられる。(例)寄して(参加させて)

○よばれる【呼ばれる】
        御馳走に呼ばれるの意で多用する。転じて、単に「食う」の丁寧語として用いることもある。 (例)たんとよばれや(=お食べよ)。

○よむ【読む】
        数を数える。共通語でも「鯖を読む」「票を読む」などの表現で用いる。 (例)十読んでから風呂から上がりや。

○よろしゅうおあがり(やす)【宜しゅう御上がり(やす)】
        拙い食事を十分に召し上がって下さいましたの意で、「ご馳走様」に対する語。十分に召し上がって下さいの意で「いただきます」の後に用いる家庭もある。

○わや
        台無し。滅茶苦茶。道理に合わない。駄目。「枉惑」の転「わやく」の派生。「わやくちゃ」「わやくそ」などとも。 (例)さっぱりわやや。