gamers第一卷小册子特典
#1 - 2024-5-10 03:08
仓猫
解釈違いは許しません!
佐久間稀莉と吉岡奏絵のこれっきりラジオは毎週火曜夜に絶賛放送中——。
稀莉「ラジオネーム『波打ち際のたこた』さんから、ん? あれ、もしかして出禁リスナー?」
奏絵「シャンプーの銘柄を聞いてきたり、匂いを聞いてきたりする、これっきりラジオの変態リスナーの四天王だね……」
稀莉「四天王って、あと三人いるの!?」
奏絵「イベントにも来てくれた熱心なリスナーだし、読んであげようよ」
稀莉「仕方ないわね。『イベントではお二人に粗相してしまいました。麗しいお二人が使う香水を聞いたり、匂いを聞いたりするのは大変失礼でしたね』。あれ? たこたこ改心した?」
奏絵「どうしたの、たこたこさん? 夏バテ?」
稀莉「『私が間違っていました。答えを聞いたらっまらない。ということで先日お二人をイメージした香水をオーダーメイドしました』……ん?」
奏絵「うん???」
稀莉「『稀莉さんの香水は花の香りのフローラル系。複数の花の香りを混ぜ、ツンからデレを演出しました。吉岡さんの香水は年上の落ち着いた雰囲気のウッディ系です。森の中にいるような大自然に包まれる時間を演出します』」
奏絵「ん? ん??」
稀莉 「『我ながら良い推し香水ができたと思います。もしょろしければ次回イベン卜で、お二人をイメージしたオリジナル推し香水をお渡しボックスに人れてもいいでしょうか?』」
奏絵「はーい、出禁」
稀莉 「気が合うわね、できーん!」
奏絵「もうたこたこさんは、月一回しかおたよりを送っちャダメだからね~」
稀莉 「出禁の基準ゆるっ!」
奏絵「というか香水までつくるなんてすごすぎない!?推される方としてはこれほどまでの情熱は嬉しいけど、ねー」
稀莉「その情熱をもっと布教活動にあててくださいー!」
奏絵「けど、最近増えたよね。キャラをイメージした香水が公式でもよく売られるようになった」
稀莉「そうなの?」
奏絵「そうだよ、こだわりも凄いんだ。つけたてと、時間経ってからで匂いが変わるんだけど、その匂いの変化までもが解釈一致というか、よく考えられている」
稀莉「……本当ね。調べるとけっこう出てくるわ。解説が細かいっ!」
奏絵「詩的な表現だね。キャラのことがよくわかっている」
稀莉「つけたての香りが『トップノート』で、あとは何だっけ?」
奏絵「三十分から二時間後が『ミドルノート』、消えていくまでが『ラストノート』ゃ『ベースノート』と言われるよ」
稀莉「ふむふむ、勉強になるわ」
奏絵「これでいつでも推し香水がつくれるね」
稀莉「……別につくらないけど」
奏絵「たこたこさんもオリジナルって言っていたから、つくれる店があるんだろうね。え、何構成作家さん?ここが推し香水を作ることのできるお店?」
稀莉「へー、オーダーシートがあるのね」
奏絵「さっそく見てみようか。へー、推しがいそうな場所とか、お店で頼みそうなドリンクとかオーダー細かいね!」
稀莉「なるほど。よくいる場所は収録スタジオで、お店で頼みそうなドリンクはビールか日本酒、色で例えると青色……」
奏絵「うん? 私のことじゃないよね?」
稀莉「自惚れるのもいい加減にしなさい!そんなわけないでしょ。えーっと。他の情報は、あだ名がよしおかんで……」
奏絵「私じゃないかーい!」
稀莉「……まあ、そういうこともあるわよね」
奏絵「ないよ! ドリンクがビール、日本酒だと男性会社員さん用の匂いになりそうで怖いよ!」
稀莉「大丈夫、性別は男性にしていないから」
奏絵「どれどれって『その他人以外のもの(性別不詳)』にチェックするなー!」
稀莉「よしおかんはきっと何者でもないんだよ」
奏絵「いい言葉風に言っているけど、意味わからないからね!?じやあこっちは稀莉ちゃんの香水をつくっちやうんだから」
稀莉「事務所を通してもらえますか?」
奏絵『個人で楽しむだけだから! 匂いのイメージでも注文できるんだね。トップノートはッンだったけど、ミドルノートから『あれ? 違うかも」と変わって、ラストノㄧトは激甘!」
稀莉「誰のことを言っているの?最初も最後もスパイスたっぷりのツンツンよ!」
奏絵「そんな刺激的な香水はいりません!」
稀莉「香水の世界も奧が深いわね」
奏絵「ねー。まさか自分で推し香水が作成できるなんて面白い時代になったね! 皆さんもぜひ推し香水をまとい、次回のイベントの際には来てください!」
稀莉『お風呂人らないリスナーに香水はちょうどいいかも」
奏絵「馱目です、お風呂はちゃんと入ってください!」
次の収録は土曜日のため、稀莉ちゃんは私服でやってきた。
「あれ? 今日は稀莉ちゃん香水つけているんだね」
「気づいた?」
わかってくれたことが嬉しいのか、彼女の声が弾んでいる。
「フルーツの香りの爽やかさもあるけど、包み込むような雰囲気もあるね」
「我ながらよく再現できたと思うわ」
再現? 稀莉ちゃんは何を言っているのだろう。
「たこたこさんは解釈違いだったもの」
佐久間稀莉と吉岡奏絵のこれっきりラジオは毎週火曜夜に絶賛放送中——。
稀莉「ラジオネーム『波打ち際のたこた』さんから、ん? あれ、もしかして出禁リスナー?」
奏絵「シャンプーの銘柄を聞いてきたり、匂いを聞いてきたりする、これっきりラジオの変態リスナーの四天王だね……」
稀莉「四天王って、あと三人いるの!?」
奏絵「イベントにも来てくれた熱心なリスナーだし、読んであげようよ」
稀莉「仕方ないわね。『イベントではお二人に粗相してしまいました。麗しいお二人が使う香水を聞いたり、匂いを聞いたりするのは大変失礼でしたね』。あれ? たこたこ改心した?」
奏絵「どうしたの、たこたこさん? 夏バテ?」
稀莉「『私が間違っていました。答えを聞いたらっまらない。ということで先日お二人をイメージした香水をオーダーメイドしました』……ん?」
奏絵「うん???」
稀莉「『稀莉さんの香水は花の香りのフローラル系。複数の花の香りを混ぜ、ツンからデレを演出しました。吉岡さんの香水は年上の落ち着いた雰囲気のウッディ系です。森の中にいるような大自然に包まれる時間を演出します』」
奏絵「ん? ん??」
稀莉 「『我ながら良い推し香水ができたと思います。もしょろしければ次回イベン卜で、お二人をイメージしたオリジナル推し香水をお渡しボックスに人れてもいいでしょうか?』」
奏絵「はーい、出禁」
稀莉 「気が合うわね、できーん!」
奏絵「もうたこたこさんは、月一回しかおたよりを送っちャダメだからね~」
稀莉 「出禁の基準ゆるっ!」
奏絵「というか香水までつくるなんてすごすぎない!?推される方としてはこれほどまでの情熱は嬉しいけど、ねー」
稀莉「その情熱をもっと布教活動にあててくださいー!」
奏絵「けど、最近増えたよね。キャラをイメージした香水が公式でもよく売られるようになった」
稀莉「そうなの?」
奏絵「そうだよ、こだわりも凄いんだ。つけたてと、時間経ってからで匂いが変わるんだけど、その匂いの変化までもが解釈一致というか、よく考えられている」
稀莉「……本当ね。調べるとけっこう出てくるわ。解説が細かいっ!」
奏絵「詩的な表現だね。キャラのことがよくわかっている」
稀莉「つけたての香りが『トップノート』で、あとは何だっけ?」
奏絵「三十分から二時間後が『ミドルノート』、消えていくまでが『ラストノート』ゃ『ベースノート』と言われるよ」
稀莉「ふむふむ、勉強になるわ」
奏絵「これでいつでも推し香水がつくれるね」
稀莉「……別につくらないけど」
奏絵「たこたこさんもオリジナルって言っていたから、つくれる店があるんだろうね。え、何構成作家さん?ここが推し香水を作ることのできるお店?」
稀莉「へー、オーダーシートがあるのね」
奏絵「さっそく見てみようか。へー、推しがいそうな場所とか、お店で頼みそうなドリンクとかオーダー細かいね!」
稀莉「なるほど。よくいる場所は収録スタジオで、お店で頼みそうなドリンクはビールか日本酒、色で例えると青色……」
奏絵「うん? 私のことじゃないよね?」
稀莉「自惚れるのもいい加減にしなさい!そんなわけないでしょ。えーっと。他の情報は、あだ名がよしおかんで……」
奏絵「私じゃないかーい!」
稀莉「……まあ、そういうこともあるわよね」
奏絵「ないよ! ドリンクがビール、日本酒だと男性会社員さん用の匂いになりそうで怖いよ!」
稀莉「大丈夫、性別は男性にしていないから」
奏絵「どれどれって『その他人以外のもの(性別不詳)』にチェックするなー!」
稀莉「よしおかんはきっと何者でもないんだよ」
奏絵「いい言葉風に言っているけど、意味わからないからね!?じやあこっちは稀莉ちゃんの香水をつくっちやうんだから」
稀莉「事務所を通してもらえますか?」
奏絵『個人で楽しむだけだから! 匂いのイメージでも注文できるんだね。トップノートはッンだったけど、ミドルノートから『あれ? 違うかも」と変わって、ラストノㄧトは激甘!」
稀莉「誰のことを言っているの?最初も最後もスパイスたっぷりのツンツンよ!」
奏絵「そんな刺激的な香水はいりません!」
稀莉「香水の世界も奧が深いわね」
奏絵「ねー。まさか自分で推し香水が作成できるなんて面白い時代になったね! 皆さんもぜひ推し香水をまとい、次回のイベントの際には来てください!」
稀莉『お風呂人らないリスナーに香水はちょうどいいかも」
奏絵「馱目です、お風呂はちゃんと入ってください!」
次の収録は土曜日のため、稀莉ちゃんは私服でやってきた。
「あれ? 今日は稀莉ちゃん香水つけているんだね」
「気づいた?」
わかってくれたことが嬉しいのか、彼女の声が弾んでいる。
「フルーツの香りの爽やかさもあるけど、包み込むような雰囲気もあるね」
「我ながらよく再現できたと思うわ」
再現? 稀莉ちゃんは何を言っているのだろう。
「たこたこさんは解釈違いだったもの」