2020-8-14 17:08 /
呉(深い霧/水底)
「あなたが殺した…」
深い霧。
言葉に瞬間、さざ波のように揺れると、すぐにその深く柔らかな腕で包み込んだ。
沈黙が続き、それは、不穏さをその身に宿している。
どこまでもミルク色の闇が平板に続き、その場の人間の存在を、単なる陰影とさせてしまう。
「あなたが殺したんですね…」
再び声が霧をざわめかせ、今度は、その腕に抱き留められるのを拒絶する。
緊張が高まった。
声音は限りない悲しみと苦しみを含んでいて、そのために、震えを帯びていた。
「はい…」
僅かな身じろぎも見せず、その人影は、告発を肯定した。
「どうして…」
否定される事の期待をあっさり覆され、告発者はぐらついた。
飽和した白い霧が渦を巻き、悲痛な声を残らず吸い上げる。
風が吹き、帯となって流れ、互いを隔ていた慈悲深い霧は、呆気なく二人を置き去りにした。
二人の男女だ。
空気に穴をうがつ視線で、互いの瞳を見つめ合う。真空が発生したように空気が乱れ、薄い霧が 部分的に二人を分け隔てた。
「どうしてですか…」
二人はお互いの世界に没入していく。
だから、もう一対の視線がそこにある事など、思いも寄らなかった。
一人の少女が、彼らを見つめていた。
息を潜め、岩のように身体を固くして、食い入るような視線を向ける。
しゃがんでいる足は強ばり、重く霧を含んだ服はただ不快だった。
それでも、その場を立ち去る事が出来ない。
彼らに気づかれるなど、もってのほかだ。
彼女は、事件に、深い関心を抱いていた。
やがて─、
事件が語られ始めた。
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ガアァーアーンーンンーン…。
……………………。
…………。
……。
ごぽごぽごぽ………。
いくつもの泡が、上へ上へと舞い上がっていく。
何かの残響音が、耳の奥深くで渦巻いている…。
耳鳴り?
それの他は、何も聞こえない…。
寒い。
夏なのに、震えるような寒さだった。
歯が水を噛み、その拍子に、赤い色をしたものが流れ込んでくる。
血の、生臭い味…。
音が次第に遠ざかるが、強く引っ張ったゴムのように、細くなりながらも強靱に居座り続ける
どこか、心掻き乱すような音だ。
早く消えて欲しいと思う。
糸のように頼りないながらも、音はこだまし続ける。
苦しさが身体からふっつりとかき消えた。
血煙は更に濃く、水中に夕日が差したかのよう。
……その向こう側に、人の影が見えた。
あの人達だ。
ゆらと揺れている。
あ─笑っている。
ゆらゆらと揺れるようにして、手で差し招いている。
嬉しかった。
嬉しかった。
とても嬉しかった。
そう、僕はただ、笑顔を向けてもらいたかっただけなんだ。
やっと、願いが叶えられた…。
応じる僕は、にっこりと笑う。
闇に閉ざされてしまったかのように、何もかもが真っ暗になった…。
意識が、真の闇に覆い尽くされていく…。
…………。
……。
…。
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康拉德
她伸出双臂,仿佛在追一个退隐去的身影;她把两臂伸在暗处,苍白的手合在一起横在窗前正在消失的窄窄的光亮中。再也见不着他!那时我看他看得非常清楚。只要我活着,我就能见到这个雄辩的幽灵;我也能见到她,一个熟悉的悲哀的阴影,她的姿势很像另一个同样悲哀的人:那个全身挂满无用的符咒,曾在那条魔鬼般的河流、黑暗的河流的粼粼闪光中伸出他那裸露的棕色双臂的人。她突然声音很轻地说:‘他死了,但仍像活着一样。’
一股隐约的怒气在我心中升起,我说:‘无论从哪方面说,他的死都跟他的一生相称。’
‘可我没跟他在一起,’她咕哝着说。在一种无限的同情面前,我的怒气平息下去了。
‘能做的都——’我含糊不清地说。
‘可我比世界上任何一个人——比他的亲生母亲——甚至比他自己,都更相信他。他需要我!我!我会珍惜她的每一声叹息,他说过的每一个字,他做过的每一个手势,他有过的每种眼神。’
我只觉得胸部一阵冰凉,压抑住声音说:‘别。’
‘原谅我。我——我——独自一人哀悼了这么久——独自一人……你跟他在一起,直到最后?我想起了他的孤独。他身边没有一个人像我这么理解他的。也许没人听……’
我用发抖的声音说:‘我和他一直呆到最后,我听见了他临终讲的话……’我吓得没往下说。
她用伤心的语调说:‘把那些话重复一遍吧。我想——我想——要点东西——要点什么——可以靠它活下去。’
我差点对着她大喊起来:‘难道你没听见?’我们周围的暮色正以一种持续不断的低语声重复着他最后的话,那低语声就像正在刮起的一阵风似乎威胁着要增强。‘可怕呀!可怕!’
‘他最后的话——我可以靠着它活下去,’她坚持着,‘难道你不知道我爱他——我爱他——我爱他!’
我打起精神,慢慢地说:
‘他说的最后一个词是——你的名字。’
我听她轻轻地叹息了一声,接着我的心停止了跳动,被一声狂喜而又可怕的喊叫,比一声由于不可想象的胜利和难以名状的痛苦而发出的喊叫吓得停住了。‘我早知道——我有把握的!’……她知道,她有把握,我听见她在哭泣,双手捂着脸。
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硬要说的话还是有一些神似的,至少我第一反应是这个,其实后面都读过好久了,还是能勾起回忆,当然如果呉一郎如果后面也有这种质量的话也不至于去写黄油了,不过呉的语言很独特,没有同另一位一样恨不得两句揉成一句,但认真的时候也很明显,很多写萌作的完全比不了,可能是表达欲很强,也可能是真的控制不住

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