調べは輝きが導く月の光～Mondlicht～

満月の夜開かれる夜会にのみ現れる青年リヒトは"氷の紳士"として街では有名でした。
誰が話しかけてもそっけない態度で決して微笑まない彼は、
夜会に現れてもいつも同じ場所でひっそりと過ごしていました。
美しい容姿ときちんとした身なりから、何処かの富豪にちがいない……と噂されてはいましたが、
その実態を知るものは誰もいません。
いつも窓際でひっそりと酒を口にするリヒトにほのかな恋心を抱いていたあなたでしたが、
彼の醸し出す雰囲気に気圧されて声をかけたくてもかけられずにいました。

彼を意識し始めて何度目かの夜会、あなたは意を決して彼に話しかけます。
他愛ない会話を少ししてはみたものの彼の反応は薄く、
氷の紳士の心は溶けることはありませんでしたが、そのことがあなたに火をつけました。
絶対に彼を笑わせてやる！そう決意したあなたは、彼を見かけるたびに話しかけます。

ある夜、彼が小さく微笑んであなたにこう言います。
「君は物好きだな……俺と話しても楽しくないだろ？」

彼とあなたの恋の行方は？
……CDをきいてのお楽しみ。