すべての人がやがて迎える死のその先を空想し、映像化した短編アニメーション。 とある老人の魂が、先立った愛犬と謎の宇宙飛行士に導かれて最後の旅に出る。老人は内なる宇宙に漂い、旅の終着点に待つかけがえのない存在に再び会うために、記憶の海を泳ぐ。 アニメーションの持つ「空想」を描く力を借りたのは、誰も見たことのない死後の世界を描くことが、旅立つものを勇気付けることであり、愛するものへの祈りであると考えたからだ。家族の死、見知らぬ誰かの死、飼っていたハムスターの死。幼い頃に感じた「死ぬこと」への漠然とした不安と恐怖を、大人になった自分自身によって癒したい。まだ見ぬ世界に怯えるよりも、惜しむべき別れの後にもまた希望を見出して、その時を待ちたい。そういった気持ちが、この作品の原動力となっている。
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