「君は新たなヒーローだ」
主人公の篠崎一夜は見知らぬ世界で目を開くと、
やはり見たことのない男にそう言葉を浴びせられた。
「この塔の最上階に囚われのお姫様がいる。
君に是非、この姫を助け出してもらいたい」
まるで何処かのRPGか小説のような言葉だった。
一夜は様々な疑問を抱きつつも、
男の言葉に従う他なかった。
帰るためには、姫を助けるしかなかったからである。
一夜は、一刻も早く元の世界へ戻り、命を絶つために。
住人たちもまた、各々の想いを抱きながら。
――これは憂鬱なる一つの塔と、5人の自殺志願者の物語。
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